劇場型政治しかできない中身ゼロの小池は絶対に落とそう
菅官房長官、都知事選で劣勢の増田氏支援に前のめりのワケ「劇場型の人に都政任せられない」
産経新聞 7月30日(土)10時0分配信
31日投開票の東京都知事選で、ひときわ大きな存在感を発揮している政府高官がいる。
増田寛也元総務相=自民、公明、日こ推薦=の支援にフル回転している菅義偉官房長官だ。
内閣の要である官房長官が地方選挙である都知事選で、公務の合間を縫ってほぼ連日、応援に出向くこと自体が異例なこと。
しかも、増田氏は各紙の情勢調査で小池百合子元防衛相にリードを許していると伝えられる。菅氏はなぜそこまで増田氏に肩入れするのか。
「相手候補は出馬表明で『知事になったら都議会を解散する』と言った。
最初からけんか腰で都政は運営できない。劇場型の人に都政を任せられるわけない」。
7月25日、東京都立川市内で開かれた増田氏の支援団体の集会で、菅氏は小池氏を念頭に批判のボルテージを上げた。
自民党が小池氏と増田氏の分裂選挙となったため、選挙戦序盤は抜群の知名度と野党4党の組織票を持つ鳥越氏が優勢とみられていた。
だが、菅氏は一貫して周辺に「争うのは小池だ」と語り、“小池打倒”への闘志をむき出しにしていた。
安倍首相が再起をかけた平成24年の自民党総裁選で、小池氏は首相の最大のライバルだった石破茂・現地方創生担当相の支援に回り、
石破氏の決起集会で弁士を務めた。
第2次安倍政権発足以降、要職での女性登用が進む中で小池氏が冷遇され続けていることも踏まえ、
安倍首相の「小池嫌い」は半ば公然の事実として語られる。
今回の都知事選でも、小池氏出馬に石破氏がひそかに関わっているとの憶測が駆け巡り、石破氏周辺は「全くの誤解」と火消しに追われた。
24年の総裁選で安倍首相誕生に奔走した菅氏にとって、小池氏は“政敵”といってもいい存在だった。
これに先立つ20年の総裁選で菅氏は麻生太郎・現副総理兼財務相の推薦人だったが、
この時、小池氏も出馬しており、菅氏と小池氏との確執は続いているとされる。
ある自民党のベテラン議員は、小沢一郎氏や小泉純一郎元首相ら、その時々のリーダーに気に入られ、
政治的地位を築いてきた小池氏の経歴を引き合いに、
「真面目一辺倒で官房長官にまでのぼりつめた菅氏には、小池氏の手法は感情的に相容れないのではないか」と推測する。
一方、菅氏が知名度が低く不利な選挙戦を強いられている増田氏を前面支援するのは、今後の政権運営を見据えたものでもある。
増田氏の政策的主張で最も強烈な印象を残したのは、人口減少によって896の自治体が消滅しかねないと警鐘を鳴らした「地方消滅」論だろう。
この提言は、政府のさまざまな有識者会議の“常連”だった増田氏が、菅氏に事前に根回しして発表した。
政府の目玉政策の一つである「地方創生」は、この提言が反映されたものだ。
今後の国の政策課題は、将来の直下型地震に備える防災対策や2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けたテロ対策、
待機児童解消や高齢化の進展に伴う医療費の膨張など、東京都の取り組み次第で成否が左右されるものが多い。
東京の国際金融機能の強化など、経済成長のカギを握る成長戦略でも、東京都との連携強化で実績を積み上げたい考えだ。
菅氏は第2次安倍政権発足後、国政選挙での4連勝に大きく貢献した。
8月3日に予定されている内閣改造では官房長官留任が早々に内定するなど、今の永田町で最も影響力がある政治家といわれる。
その菅氏は31日投開票の都知事選で増田氏に勝利を呼び込めるか。
地方選挙とはいえ、選挙結果は今後の政治生命に影響を与えるのは間違いなさそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160730-00000504-san-pol